2011年7月22日金曜日

OpenSim on FreeBSD8.x (その2 - ツール・ライブラリの用意)

今回はOpenSimをインストールするのに必要なツール、ライブラリ環境等を構築します。

FreeBSDのインストール

まずは、FreeBSDのインストール。私はFreeBSD8.2をMinimalでインストールし、X Windowシステム等のデスクトップ環境はインストールしませんでした。作業はすべてコンソール、もしくはsshでリモートログインして行ないます。Minimalだと余計なソフトウェアが入らないので、インストール直後のディスクは300MBほどです(Portsもインストールすると800MBほどになります)。

ちなみに、私はFreeBSD8.2をVirtualBoxというフリーなx86仮想化ソフトウェアを使って、WindowsXP上で動かしました。 別途ハードウェアを用意しなくてもテストできますし、環境の複製や、やり直しも簡単にできるので非常に便利です。もちろん、普通のハードウェアにインストールしても全く同じでとくに変わるところはありません。

FreeBSDには、Portsというソフトウェアをソースコードから簡単にインストールできるようにするシステムがあります。Portsを使うと、ソースコードを取得してパッチを当て、コンパイル、インストール、バイナリパッケージの作成という一連の手順が自動化されます。Portsは、通常 /usr/ports 以下に展開されます。FreeBSDのインストール時に「Ports Collectionをインストールするか?」と聞かれた場合はインストールしておいてください(後から sysinstallコマンドでインストールすることもできます)。

必要なツール・ライブラリのインストール

ファイルの内容やコマンドの入力を示すのに次のような表記を使います。
端末での入力は、背景が黒の枠で示します。
# <-- 行の頭が「#」の場合はrootユーザーを示します。
% <-- 行の頭が「%」の場合はroot以外の一般ユーザーを示します。
「#, %」はコマンド入力のプロンプトなので、実際には入力しないでください。
ファイルの内容などは、背景が白(うすい黄)の枠で示します。

/etc/make.conf
私の環境では、X Windowシステムを使いませんので、/etc/make.confに以下の行を追加しています。
WITHOUT_X11=yes
BATCH=yes
WITHOUT_X11=yes」を指定しないと、Portsインストール時にX Windowシステム全体をコンパイルしようとするかもしれません。「BATCH=yes」は、portupgrade等のツールで一気にインストールしているソフトウェアをアップデイトする場合に、いちいち会話モードでコンパイルの選択肢をダイアログで聞かないようにする為に指定してます。

Monoのインストール(かなり時間かかります)
# cd /usr/ports/lang/mono && make install clean

Nantのインストール
Monoに依存するので、Monoインストール後に実行します。
# cd /usr/ports/devel/nant && make install clean

Sqlite3のインストール
OpenSimが使うデータベースです。MySQLも使えますが、今回はお手軽な sqlite3 を使います。
# cd /usr/ports/databases/sqlite3 && make install clean

libgdiplusのインストール(これもわりと時間かかります)
# cd /usr/ports/x11-toolkits/libgdiplus && make install clean

ODE(Open Dynamic Engine)のインストール
そのままコンパイルすると不具合があるので、以下のMakefile.localファイルを /usr/ports/devel/odeに作成します。
#
# Makefile.local  --- Local settings for OpenSIM
#

CONFIGURE_ARGS+=--disable-asserts
CONFIGURE_ARGS+=--enable-shared
CONFIGURE_ARGS+=--disable-demos
CONFIGURE_ARGS+=--with-drawstuff=none

pre-configure:
        @cd ${WRKSRC} && ${SH} autogen.sh
その後、make install します。
# cd /usr/ports/devel/ode && make install clean


rootユーザーでインストール作業するのはこれで完了です。

(その3に続く)

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